【初稿】2017年03月5日公開 ホームページのお話。第1話「ホームページは、ないと恥ずかしい?」
この記事は2023年08月19日にリライトいたしました。漫画で見るホームページのお話。第1話「ホームページは、ないと恥ずかしい?」

「今どきお店のホームページくらいないと恥ずかしいよ」と言われてしまい慌てて制作したというお話を最近よく耳にします。
皆様の周りでもそんな話を聞いたことはあるのではないでしょうか?

他にも「ホームページは24時間年中無休の営業マンですよ」この言葉を聞いて「自分のところそう言われて作ったよ・・」という人も多いのではないでしょうか?
いやいや、だからといってあなた損してますよ!という事ではありませんので、ひとまず安心してください。

そのホームページに目標はありますか?

漫画を見るとわかるように、ホームページを作る前にしっかりと戦略と計画を立てて、使い方を決めてからおくことが最も重要です。

「ホームページは24時間年中無休の営業マン」に例えるのは説明がしやすくて私もいいなぁと思います。
しかし、優秀な営業マンか仕事ができない営業マンかは全く別のもの。

あなたが会社の経営者なら、働かない営業マンに給料は払いたくありませんよね?(実際は払わないといけないのですけど)
当然、仕事が全くできない場合は給料を下げるか解雇することも考えなくてはいけません。頑張っているのなら、もう少しおいてみたら結果がでるかもしれないと、見守ってみるのもありでしょう。最悪、悪いイメージをお客様に与えて損害を出してしまう営業マンもいるかもしれません。

ホームページにも全く同じことが言えるのです。

「どういう役割をホームページに持たせるか」を決めずに作ってしまうと、ホームページは力を発揮できず、全く役に立ってくれないのです。
あるだけのホームページです。全く働きません。営業マンなのに営業しません。さらに、内容次第で企業イメージを損なう結果になっているかもしれません。
「ホームページくらいないと恥ずかしい」ということが「ホームページを出してしまったばかりに悪いイメージがついた」なんてことにもなりかねないのです。

それでは本当にホームページがないと恥ずかしいのでしょうか?
私は全ての方に必ず必要なものではないと考えています。

実際にあった話を例に紹介します。

ある日友人がお目当ての飲食店を検索していたときのこと。

Googleで検索してもYahooで検索しても、お店のホームページはいっこうにでてきません。
友人は「あぁ、ここホームページないんだね。でもね、ここすごい美味しいって評判らしいよ」と言いました。
むしろ、ホームページがないことで「行ってみたいという気持ちが強くなっている」ことがわかりました。

また別の日、友人が違う飲食店を検索していました。

その店のホームページは比較的早く見つけることができましたが、友人は「このページニュースの更新が1年前になってるけど・・ひょっとしてもうつぶれてるんじゃないの?大丈夫?」と言ったのです。
そのページを見るとニュースの項目に1年前の日付で「ホームページできました」と書いてある状態で放置されていました。

前者と後者、いったいどちらが本当に恥ずかしいでしょう?
そうなんです。実は皆さんが気にしている程、前者は恥ずかしくともなんともないんです。

ただしホームページがなくても大丈夫という話ではありません。
「ホームページがないから情報がわからないし行かない!」という方もいらっしゃいます。
ただ、「ない=恥ずかしい」と言われると、決してそうではないということです。
ただし「ない=良い」という話ではありません。情報を調べてから行きたいと考えているお客さまとの出会いのチャンスは確実に無くしてしまっていることに気づくべきです。

つまりは優秀な営業マンを雇うことが重要なのです。
どのような営業マンが欲しいのかしっかりと想像してみてください。

大事なのは、ホームページの使い方を決める。

ホームページを作る前に、どういう役割を持たせ、働かせるかをしっかりと設定してそれに見合う内容と戦略を持って作るべきなのです。

では、優秀な営業マンをどうすれば迎えられるか?ポイントを絞って話したいと思います。

ホームページという営業マンは面接にはやってきません、全てあなたの思い通りの営業マンを1から10まで注文して制作会社に見つけて(作って)もらうのです。
あれもできるこれもできる、そんな優秀な営業マンを迎えようと思えば、当然それに見合ったコストが必要になると考えるでしょう。ほとんど正解です。

ですが、これはホームページのお話です。いろいろな機能がついていてなんでもできることが優秀なホームページの条件ではないのです。
何度もお伝えしていますが、大事なことは戦略を立てる(ホームページの役割や使い方を決める)ということ。どのような働きをしてもらう営業マンなのかを考えてみましょう?例えば

・お客様にしっかりと商品を紹介してくれる営業マン
・お客様のクレームを集めるための営業マン
・お客様と対話したり、楽しんでいただける営業マン
・お客様に会社の理念をしっていただくための営業マン
・お客様に会社の場所を知ってもらうための営業マン

あなたが決めた役割を確実にこなしてくれる。
これが、ホームページにおいての優秀な営業マン
なのです。

残念ながら、得意先の社長を誘って接待くれたり、その帰りに代行を呼んでくれたりはいたしません。
ある一定以上の融通は聞かせられないのです。この融通がきくホームページを作ろうとすると、より複雑なプログラムやインタラクティブ性が必要になり、制作コストはあがります。

先ほど挙げた例の中では

・お客様に商品を紹介してくれる営業マン
・お客様と対話したり、楽しんでいただくための営業マン

などの一部がそれにあたります。

こんなホームページを見たことはないでしょうか?豊かな動きと訪問者が楽しめるインタラクティブ性で商品を紹介しつつ、企業イメージを向上させるすばらしいホームページです。一部では、話題を呼ぶための「スマッシュコンテンツ」などと呼ばれ、制作費用は正直高額です。

さて、では

・お客様に商品を紹介してくれる営業マン
・お客様と対話したり、楽しんでいただくための営業マン

などの営業マンはお金がなくては雇えないのか?いえいえそうではありません。
商品をよりわかりやすく紹介したいなら動画という手もあります。
動画もお金をかけて作らなくても自分たちで「面白いと思っていただける内容」を脳みそに汗をかいて考えて作ればコストはかかりませんし、楽しんでいただきたい場合も同じことが言えます。

最後にホームページはいくつものページを作ることができます。ですが、ホームページのトップページは一つだけです。
トップページに一番重要な内容を明確におくこと、もしくは知ってほしい内容に確実に導くような仕掛けをすることも重要なポイントなので覚えておいてください。

まとめ

ここまで読んでいただけた方は、伝えたい情報を真っ先に伝えられる・誘導できるのが優秀な営業マンだと納得していただけたと思います。
つまり、目標にたどり着くまでに何度もクリックしなければいけないホームページは失敗するのです。

とある会社は20ページほどのホームページを作りました。制作費は50万円ほどだったそうです。
トップページには各ページへ画像などでリンクしていました。でも、どれを売りたいのか全くわかりません。
地図だけで1ページ。会社概要で1ページ。社長挨拶で1ページ。自分がお客様ならどうでしょう?
目当てのものが見つからないのです。このようなホームページはほとんど見られずに終わってしまいます。
まとめられるページはまとめましょう。そして優秀な営業マンをあなたの会社に迎えてください。

この記事を書いた人
松尾雅由

松尾雅由

MASAYOSHI MATSUO

株式会社ARTMIXTURE代表取締役。MacromediaのFlash5に魅了され、Web制作の世界に飛び込む。コーディング・Webデザイン・CM制作・サウンドロゴ制作などクリエイターとして活動。2015年にリリースした予定管理アプリPixelSchedulerは現在も全世界で利用されている。2021年まで専門学校の講師なども勤める。プロフィール詳細はこちらをご覧ください。